LA PEROUSE BAY

SWIM AT THE AQUARIUM      - APR. 2008 -

 

「自然の水族館で泳ぐ」

 

ハワイの海は楽しい。

でも、せっかくだから、たくさん魚がいる所で泳ぎたい。

多少、行く道が困難でも・・・。

 

La Perouse Bay

溶岩も目立つ、ラ・ペルーズ・ベイ

南マウイをキヘイ、ワイレア、マケナとドライブして行き、行き止まりがラ・ペルーズ湾です。前に来た時は、マケナを過ぎるとすぐに、道が未舗装になっていたような気がしたのですが、ラ・ペルーズまで舗装路が出来ています。 ここまでの道沿いに、豪華そうな家もたくさん建っていたし、8年という月日は、長いんだねえ。

 

ラ・ペルーズは曇り空

向こうには噴石丘

ラ・ペルーズ湾には、未舗装の駐車エリアがあるので、ここに車を停めます。

車上荒らしの噂を聞いたので、車内に荷物を残さないように気をつけます。見回りのボランティアさんが来てくれるようにもなった、という話も聞くので、それほど神経質にならなくてもいいのかもしれません。

この辺りは、 アヒヒ・キナウ自然保護区という保全地域になっているので、海岸の石をなにげなく拾っても注意をされる、という話も聞きます。

 

ところで、La Perouseというのは、フランス人の名前なので日本語表記だと、ラ・ペロウズとかラ・パルーズなどと書いてあるのを見ます。どれが正しいのか分かりませんが、ウィキペディアなどで書かれていたラ・ペルーズと表すことにしました。

 

話が脱線ついでに、そもそも何故ここが、ラ・ペルーズの名前が付いたかというと、フランス人の探検家、ラ・ペルーズが西洋人として初めてマウイ島に上陸した場所だからだそう。ラ・ペルーズは、サハリンにも探検に来ていて、北海道とサハリンの間の海峡に、ラ・ペルーズ海峡(宗谷海峡の国際的な名前)という名前を残しています。マウイと日本の意外な共通点ですね。

 

この辺りは、昔はハワイアンの集落があったそうで、ヘイアウなどの遺跡も見られるそう。また、マウイでは、ナイト・マーチャーズが現れる場所としても有名です。

この日の、マウイは、お天気がイマイチ。波もかなり荒い。朝早くに来れば、イルカがいるかもー、とオットの駄洒落にのせられてやってきたのですが、イルカの影も形もありません、うそつきー。

 

 

その代わりに、湾の奥でイルカのように波に乗る、サーファーたちを見ました。マウイの有名なサーフィンポイントの一つ(ジェリー・ロペスも好きなポイント)なので、この時間に駐車している車の多くは、サーファーのよう。

通り過ぎてしまった入口

 

アア溶岩の上を歩く

さて、ラ・ペルーズを後にして、これから通称アクエリアムと呼ばれる、入り江へ行って泳ぐつもりです。泳ぐので水着の上にビーチドレスという軽装ですが、これからの行程を考えて、靴はトレッキング・シューズ。ビーチタオルやシュノーケル道具をリュックサックに背負って、ステッキも持っていきます。

砂浜の道と思いきや・・

すぐにアア溶岩の上に

 

ラ・ペルーズから、道を少し戻って、海側の荒地へと道からはずれます。ガイドブックなどに、標識があるというので、あてにしていたのですが、標識らしきものは見つからず、一度道を行き過ぎてしまいました。

 

石垣が少し低くなっているところが、怪しそうだったので、ちょっと越えてみると、あんのじょう先人の足跡がありました。私有地の柵を目安にしていると、見つけやすいかな。

入口にはイリマの潅木があります。地面を這うタイプのイリマはよく見かけるのですが、潅木タイプはちょっと珍しいかも。砂地を抜けると、すぐに溶岩が広がっています。ゴツゴツしたアア溶岩です。先人が歩いた跡が、辛うじて読み取れる程度のルートが難しいトレイルです、ううむ、ホントに泳ぎに行けるのかな。

 

何故か豪邸が

左手にラ・ペルーズ湾が見えます。入口にあった私有地は、どうやら豪邸のよう。ステキなビーチが私有地内にあって「PRIVATE」と看板が出ています。 でも、保護区内なのに、なんで豪邸を建てられるんでしょうか。

アア溶岩とは、ゴツゴツした溶岩のことです。アア溶岩を知っている人ならば、その上を歩くのは、大変だということが、すぐに分かるでしょう。トレイルを外れて歩くことは、ほとんど不可能。それなのに、溶岩の上のトレイルは、すぐに見失いかけてしまいます。海沿いに、いくつか入り江が見えてきました。

キレイな入り江

だけど、これはアクエリアムじゃない

「おおっ、これがアクエリアム!?」

「違う違う、もっと先のはずだよ」

そうなのか、この辺りの入り江でも、充分キレイなんですが。

タイド・プールのような、池があります。水面が緑色で、どんよりした感じです。池の周囲に植物が密生しています。この植物を含む生態系を保護するために、この池に入ってはいけないそう。

 

魚がいっぱい

途中の池

池を過ぎると、いよいよ道は困難になってきます。張り付くように狭い崖沿いの道を抜けると、ゴツゴツしたアア溶岩の尾根です。

軽装で来ているので、足や腕は剥き出し。溶岩の上で転んだら、大怪我をするだろう、と慎重に歩いてきたのですが、鋭いアア溶岩は、あたっただけで怪我をしてしまいそう。ああ、こんなことなら、ジャージの上下で来ればよかった。

 

鋭い溶岩が行く手を阻む

前から人が歩いてきました。

「こんにちは、アクエリアムは遠いのですか?」

「あと10分くらいだけど、道はすごく険しいわ、気をつけてね」

えー、もっと険しいのかなあ、もう歩くのイヤだよ。

「もうアクエリアムに行かなくていいよ、怪我しちゃうよ」

「うーん、じゃあこの辺りで泳ぐ?」

目の前も小さいけれど、入り江になっています。外海は、波が荒くて波しぶきが立っているのが見えますが、岩に阻まれてた入り江は、湖のように静かです。

でも、ここで泳いでびちょびちょのまま、来た道を帰るのは、なんだかブルー。取りあえず、オットが泳ぐ様子を見てからにしようかな。

「うひょひょひょ、お魚100匹いるよー!」

そんなアマイ言葉は、もう信じられないなあ、帰りたくなってきたよ。

「ちょっとだけでも、泳げばいいじゃん、せっかく来たんだから」

うーん、じゃあちょっとだけ。

 

この子供水族館(仮称)で充分

この入り江は、面積は8畳か10畳くらいの、子供用プールのようなものですが、すぐに深くなっています。3〜4m位の深さかな。入り江に入ると、水は透き通っていて、たくさんの魚が泳いでいました。ツノダシや、 キイロハギが目の前を泳いでいきます。ハワイではよく見るチョウハンというアライグマのような顔の魚もいっぱい。種類も多く、見ていて飽きません。

水の中も溶岩なので、夢中になって見ていると、溶岩で手足を切りそうになります。なにしろ狭い入り江、すぐに溶岩に手足が当りそう。レギンズかタイツが本気で欲しくなります。

 

ひとしきり遊んで、ちょっと休憩。アクエリアムから戻ってきたと思われる、青年3人組がやってきました。

「もう少し行くと、もっと大きい入り江があるよ」

みんな口々に、親切に教えてくれました。お礼を言ってはみるものの、私はこの子供水族館で充分です。お魚もたくさんいるし。さっきなんて、1mくらいある魚影を見てしまいました。 教えてくれてありがとー、と彼らを見送った後は、また入り江でお魚ウオッチング。

「そろそろ帰ろうか」

「えー、もうちょっと遊ぼうよー」

すっかり子供水族館が、気に入ってしまいました。

キイロハギ・ハナグロチョウチョウウオ・ヒレナガハギなど ヘンな顔のツノダシ 魚の種類が多く、魚密度も高い

 

ところで、2008年の夏からアヒヒ・キナウ自然保護区一帯は、閉鎖されました。アクエリアムで泳ぐ人が増えたことなどによって、環境が著しく悪化したのだそうです。日焼け止めあるいは日焼け用のローションなどを付けて海に入ったり、更には用をたす人などもいたそう。そのため、 とりあえず2010年の夏まで養生のため、閉鎖されるそうです。そう聞くと、アクエリアムまで行けばよかったかなあ、と思ったりもしますね。

 

 

海に入ったらシマハギ100匹

 

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