ALAKAI SWAMP

CHALLENGE ! ALAKAI SWAMP   -May 2004−

 

「チャレンジ!アラカイ・スワンプ(前編)」

 

アラカイ・スワンプに挑戦することを決めたので、

近所の野山を歩きだしました。秘密特訓です。

新しいリュックも買い、コンパスも用意しました。

あとは当日のお天気と、私たちの体力・気力次第です。

 

プロジェクト・アラカイスワンプ

今回は、アラカイ湿原の終点、キロハナ・ルックアウトを目指す、長距離トレッキングに挑戦する予定です。

<ルート>始点は、カララウ展望台。これは、カララウ展望台からプウオキラ展望台までの舗装路の車輛通行止めが続いていたためです。 ピヘア・ビスタへ寄り道し、アラカイ十字路を通り、キロハナ展望台へ向かう予定です。休憩を入れて、往復で最大8時間かかると計算しました。かなりゆとりのある計画です。

<持ち物>朝食と昼食分のお弁当(サンドイッチ)、チョコレート・バーなどの簡単にカロリーが取れるおやつ(意外に重要!)、もしもの時の非常食用カロリーバー(おやつに変身)、雨具(ポンチョ・・・重かった・・)、水(2人で500mlのペットボトルを5本。ギリギリの量でした)。

<服装>標高を考えて、半袖のTシャツの上に長袖を重ね着し、暑くなったら脱ぐつもりでした。トレッキング・パンツに、トレッキング・シューズ、ステッキを持参です。しかし、トレイルで出会った人たちはみなさん驚くほど軽装で、ほとんどの方がTシャツに短パンで、持ち物もほとんどない様子でした。

 

出発!

WaimeaCanyonRoadから見た朝陽

夜明け前に起きて、出発しました。

ハワイは全般に、「朝が早い」という印象があるのですが、この日は日曜日だったためか、車輛は少なめ。なぜかパトカーが目立つ、まだ暗い50号線を西へと向かいました。

だんだんと東の空が明るくなる頃、ワイメアの町に到着。ここから550号線を登ります。犬を乗せたハンターらしき車ともすれ違いましたが、カララウ ・ルックアウトの駐車場は、誰もいません。山の空気が涼しいのですが、お天気に恵まれたため寒くはありません。ここで朝食を取り、装備をチェックしました。

「準備運動しなくちゃ」

「普段は、しないけどね」

このために雑誌からコピーしてきた『山歩きの準備運動』を見ながら、筋肉を伸ばすにわかトレッカーの私たち・・・早くも不安が胸をよぎるのでした。

 

KALALAU LOOKOUT〜PUUOKILA LOOKOUT

朝靄に煙るカララウ渓谷

丁度、7時にカララウ展望台を出発です。

プウオキラ展望台までの舗装路は、道に穴が開いているという理由で、車での通行が閉鎖されています。チェーンで道が塞がれていますが、歩いて登るのは問題ありません。しばらく歩いていると、 ローカルのグループとすれ違いました。

「大きな豚がいたから、気を付けてね」グループの中の男性が注意してくれました。

ハワイのほとんどの島には、野生の豚が住み着いています。豚は、ポリネシア人がハワイに運んだのですが、ハワイの森を荒らす、どちらかというと害獣です。今まで、ハワイのトレイルを歩いて、豚らしき声を聞いたり、獣の匂いを嗅いだことはありますが、実際に野生の豚を見たことはありません。

「怖いけど、ちょっとわくわく」

しかし、豚は逃げてしまったようで、見ることはできませんでした。残念なのか、ほっとしたのか・・・。

その上、プウオキラ展望台まで、30分もかかってしまいました。こんなスローペースで大丈夫なのでしょうか。

 

PUUOKILA LOOKOUT〜PIHEA VISTA

赤土の坂道を下りる

プウオキラ展望台から延びるピヘア・トレイルは、かつてノース・ショアのケエ・ビーチまで車道を引こうとした名残りです。赤土の急な坂道は、植物が再び生えることもなく、剥き出しのままになってしまいました。この滑りやすい赤土の坂道の両脇は、急な崖になっていますが、どちら側も大変景色がよいところです。

すぐに道は木立の中へと入ります。この辺りはほとんど平坦で、歩きやすいのですが、ところどころ大きなぬかるみが広がっていて、行く手を阻みます。

 

LEHUA BLOSSOM

レフアアパパネが来ていました。この辺りは標高1270mから1300mです。蚊がここまで登ってこられないため、ミツスイが多く生息していると聞いていたのですが、ハワイ島ボルケーノ周辺の方が多く見ることが出来ました。

「気持ちいいよねー」

「意外に楽勝なんじゃない」

時々ぬかるみはあるけれど、アップ・ダウンは少ない道です。

「ぜーん、ぜん楽勝・・・」

と、言っているのも束の間、なんとなく道の様子が変わってきました。赤土が目立ち、ぬかるみも多くなってきます。足場を考えながら歩くため、あまり距離が進みません。

ハイキングというよりフィールドアスレチックの様子を呈して来ました。

「こ、これは・・・」

「道というより、すでに『崖』・・・」

 

「足跡」を「足場」にして登る

登れないよお・・・

この木はどうしたらいいの・・

 

帰りはどうしたらいいのかなあ・・と、不安に思いながらも、崖をよじ登ることになりました。既に、手は赤土まみれです。

崖には先人の足場が出来ているので、一歩一歩足場の「穴」に、足を入れていくという感じです。

「先に歩いた人は、みんな一歩が大きかったんだねえ」

ピヘアビスタの三角点

ここは1306m

足場は日本人サイズではありませんでした。崖は次々に現れ、しかも倒木が行く手を遮っています。

「あ、ピヘア・ヴィスタの標識がある!」

すでにドロドロですが、ピヘア展望台はすぐそこのはずです。トレイルを暫し外れて、ピヘア・ヴィスタを目指します。

 

左側のほうが、比較的道がいいと聞いていたのですが、どれが左か、はたして今、登っているのは本当にいい方の道なのか、よく分からないままに、崖をよじ登るようにして、ピヘア展望台に辿り着きました。

「あー、着いたー、でも、ここが終点じゃないんだよね」

ピヘア・ヴィスタからは、カララウ渓谷の海に向かって左側をはっきり見ることができます。

現在8時半。トレッキング・スタートから1時間半です。

「どうしよう、ここから帰っちゃおうかなあ・・・」

(後編はこちら                  

 

KALALAU VALLEY from PIHEA VISTA

 

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