KILAUEA IKI TRAIL

GO DOWN TO THE CRATER         - Apr. 2004 -

 

 

火口に降りるという経験は、

そう簡単にできるもんじゃございません。

でもハワイ島なら、ちょっと歩いただけで火口に降り立つことができます。

しかも、結構最近まで溶岩がドロドロしていたところです。

 

「クレーターに降りるぞ!」

 

クレーター・イキへ降りる

サーストン・ラヴァ・チューブへの入り口でもある「LAVA TUBE PARKING」に車を停めて出発です。

 

イキの東側は大きなシダやオヒアなどの森になっていて、アパパネなどのミツスイも見ることができる、お気に入りのエリアです。その森のなかを、イキの火口に向かって降りていきます。

道はよく整備されているし、坂道もなだらかなので、歩くのはかなり楽です。まだ8時少し過ぎぐらいなので、鳥のさえずりもたくさん聞こえます。バード・ウォッチと植物観察をしながら歩くので、かなりスローペースですが、朝のボルケーノは爽やかで人も少なく、気分良く歩けます。

 

道は九十九折になっていて、大きなシダが道を囲むように生えていました。ハワイ原始林にかなり近いような印象を受けます。

触ると、水がじわっ、と染み出てくるスポンジのようになったコケや、大きなゼンマイのようなシダの間をジグザグに曲りながら下っていくと、やがて木々の間からイキの火口が見えてきました。

シダに囲まれた道 コケに触ると「じゅわっ」とします。 巨大なゼンマイのよう

 

火口を歩く

「どこから降りてきたんだっけ・・」

初めてボルケーノを訪れた時、キラウエア・イキ・トレイルを歩く人々を展望台から眺めて

「うわー、暑そう。なんであんな辛そうなことを・・・」

と思ったものです。

炎天下の火口はもちろん木陰などもなく、とても暑そうに見えました。絶対、私はそんなシンドイことはしない・・・と、思っていたのに、その火口まで来てしまいました。

 

森を抜け出て、火口から振りかえると、降りてきた道がよく分かりません。

「どこから降りてきたか分からなくなったらどうしよう」

「ずーっと、クレーターをぐるぐるするのはイヤだよね」

実際は、道に人の歩いた薄い跡が付いているので、分からなくなる、ということはなさそうです。

 

この日は晴天でしたが、まだ朝早いため、日を遮るもののない火口に降りてもだいぶ涼しい感じです。火口の中の道もほとんど平らで、チェーンオブクレーターロードの先のような、溶岩が流れた後の大きなデコボコはありません。

クレーターの中は、不思議な世界です。ここで、「猿の惑星」のロケーションをしたのもなんだか頷けます。

 

「ううむ、下は空洞か・・」

火口の中に咲くレフア

プウプアイ展望台より臨む

 

上から見下ろすより、クレーターから見上げる世界は、火口の広さを更に感じるよう。

イキはハワイ語で「小さな」と、いう意味です。ハレマウマウに比べたら小さいけれど、こうして見るととても大きいクレーターです。

 

イキは1959年に大噴火しました。今でもこの地面の70m下には、煮えたぎる溶岩が流れているそうです。

煙があがっている場所もあります

「あれ、なんだか空洞な感じがする」

トレッキング用のステッキで地面をたたくと、空ろな感触がします。明らかに他の地面とは違う感じです。改めて下に溶岩が流れているんだなあ、という実感が沸いてきます・・・ちょっと怖かったりもします。

でも、溶岩のわずかな裂け目から、小さなオヒアが顔を覗かせていました。ちょっと、ほっとします。

 

キラウエア・イキ・トレイルは周回路なのですが、私たちはクレーターの途中、丁度Pu’u Pua’iの横くらいから引き返すことにしました。このプウ・プアイは1959年の大噴火で吹き上げられた噴石によって出来た丘です。デバステーション・トレイルから見ても、大きな山ですが、火口から見上げるとさらに高く見えます。火口の中にも、いくつも大きな溶岩の山があり、蒸気が立ち昇っています。

火口の中を歩く、という貴重な体験ができて良かったです。大変そうに思えていたトレイルですが、イキへの九十九折の道も、15分かからずに登ってこれました。「絶対歩かない」なんて思っていたけれど、歩いて良かったな。

 

クレーター・イキを歩く

 

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