ONIZUKA VISITOR CENTER

GET STARS  −Oct.2008−

 

「星へ近づく」

 

マウナ・ケアでのスターゲイジング・ツアーが人気なようですが、

もちろんツアーではないとマウナ・ケアに登ってはいけない、

という規則があるわけではありません。

ただ、マウナ・ケアへの道は、レンタカーの保険が効かないだけです。

 

 

SADDLE ROAD

ほとんどのレンタカー会社では、サドル・ロード(写真@)での事故は保険の対象外になることがほとんどです。

近年、サドル・ロードでは道路整備が進んでいるので、将来もしかしたら保険が効くようになるのかもしれません。でも、ガソリンスタンドも人家もない道をレンタカーで走るのは、リスクがあることには変わりありません。特に夜間は、車もほとんど走っていない上に、 濃い霧が出ることもよくあるので、更にリスクは高まります。事故が心配な方は、やはりツアーを利用される方が無難だと思います。

 

@

 

A

C

B

 

と、いう事情はありますが、マウナ・ケアに星を見に行くことにしました。

サドル・ロードは何度も通っていますが、夜間に通るのは初めてです。でも往路はまだ明るいうちに通ることになるので、さほど心配はありません。帰りが遅くなるので、 ヒロでテイクアウトした夕飯を持って出発です。

 

サドル・ロードを通るのは、主に地元の車ばかり。ヒロ〜コナ間を一番早く結ぶ道なので、この道を通ってコナへ、あるいはヒロへ行く人は多いようです。とは言え、通行する車の数は他のハイウエイに比べて少なく、みなさんスピードをかなり出しています。 このスピードも、サドル・ロードのリスクの一つのようです。

 

サドル・ロードは、大きな分かれ道がない一本道ですが、唯一の分かれ道がマウナ・ケアへと登る道です。 実は他にも、舗装されているもの未舗装のもの、私道を含めてたくさんの道がサドル・ロードから分岐しているのですが、目立つ分かれ道と言えば、マウナ・ケアへ登る道だけなので、まず道を迷うことはないでしょう。

ヒロから行くと、右側にマウナ・ケアへの道が見えます(写真A)。正式名称はJohn A. Burns Wayと言いますが、マウナケア・サミット・ロードと呼ばれることもあります。でも、道の名前を書いた標識のようなものは見当たりません。左には噴石丘の一つ、プウ・ フルフルが見えます(写真B)。このプウ・フルフルは、ちょっとしたハイキングにいい場所です。

 

始めは緩やかに思えたJohn A. Burns Wayは、次第に急勾配になってきます。コンパクトサイズの車だと、アクセルをベタ踏み状態です。周囲の景色は、いくつもの噴石丘によって、地球ではない星に来てしまったかのように見えます(写真C)。だんだん星に近づいてくる感じです。曲がりくねった道路を一生懸命(正確には、車が一生懸命)登っていくと、右手にオニズカ・ビジター・センターが見えてきました。

 

ONIZUKA CENTER FOR INTERNATIONAL ASTRONOMY

通称オニズカ・ビジター・センター(写真D)は、マウナ・ケアに登る人たちへの案内所です。観光案内の他、健康や安全面での情報、マウナ・ケアに関する教育的な情報の発信地としても重要な役割を果たしている場所です。そして、この近辺で唯一の食料が買える場所(カップ 麺やお菓子、インスタントのホットココアなどあり)としても、近辺で最もキレイなトイレがあることとしても、極めて重要な場所です。

 

さて、あまり知られていないことですが、オニズカ・ビジター・センターでは、毎晩、天体望遠鏡を使用したスターゲイジング・プログラム(英語)が無料で行われています。また、土曜の夜には、特別なプログラムも行われているので、ツアーに参加しなくても、星の観測を楽しめるようになっています。

実は私も、このプログラムを利用すべく、土曜の晩を選んで、オニズカ・ビジター・センターへと登ってきたのでした。

今日は、第四土曜日。インターナショナル・ミュージック・ナイトが開催される日です。

D

E

マウナ・ケア山頂ツアーに参加すると、高所に慣れるためもあって、このビジター・センターでお弁当を食べる、と聞いたことがあります。 今日は、私もここで夕食です。マウナ・ケアの山肌は、夕陽があたって赤く染まっています(写真E)

ここまで、昼間に登ってきたことが何度かあります。サドル・ロードの周辺は、標高が高いため、だいたい何処でも肌寒いのですが、オニズカ・ビジター・センターまで登ると、ハワイとは思えない気温です。そして、夕方は更に寒い!吐く息は白く、あるだけの洋服を着ていても、凍えそうです。

始め、ビジター・センターの裏手にあるピクニックエリアで、ヒロから持ってきたプレートランチを食べようとしたのですが、あまりに戸外が寒いため、車に戻ることにしました。

 

車内でゴハンを食べていると、隣に4WD車が停まりました。見ると、ボンネットから白煙があがっています。どうやらオーバーヒートのようです。

「こんなところで、オーバーヒートしたらどうするの?」

保険も効かないし、帰りのタクシーもありません。4WDでもオーバーヒートしちゃうなんて、やっぱりマウナ・ケアに自力でやって来るのはリスクが高いなあ。オーバーヒートした車のドライバーは、ボンネットを開けて心配そうに覗き込んでいました、大丈夫かな。

 

AFTER DARK

辺りが暗くなる頃、ビジター・センターの前には大型の天体望遠鏡がいくつも出てきました(写真F)。暮れ行く空には、金星が現れています。(写真H)ビジター・センターに設置された温度計は、摂氏5度を指しています(写真G)。風があまりないのが幸いですが、じっとしていると凍えそうです。時々、ビジターセンターの中に入って暖をとり、また戸外で星を眺める、ということを繰り返しているうちに、いつの間にか星空のガイドが始っていました。気がつくと20人ほどの人々が夜空を眺めています。

F

H

G

一面の星空です。天の川がくっきりと見えます。ガイド氏はレーザーポインターを使って星や星座の説明をしてくれます。天体望遠鏡を覗かせてもらうと、木星がその縞模様までくっき りと見えていました。夜空を眺めていると、流れ星も幾つも見ることができます。普段はビジター・センターは夜10時までオープンしているそうですが、流星群が現れる夜には、オールナイトでオープンするそうです。

 

星空のガイドの前後に、音楽演奏のプログラム、インターナショナル・ミュージック・ナイトの催しがありました。ハワイ大学ヒロ校と、ヒロのコミュニティ・カレッジの学生さんたちが、ボランティアで音楽を演奏してくれるプログラムです。この日のボランティアのみなさんは、日本から来た方が多く、星の説明を補足してくださったり、大変親切にして頂きました(ミュージックナイトの様子は、「ハワイ島日和」に詳しくレポートしています)。

夜も更けてきたので、ボランティアのみなさんに、お礼を言って帰ろうとすると、ちょっと話をしただけで、息が切れてくることに気がつきました。 ボランティアさんに

「この辺りでも、平地の70%ほどしか酸素がありませんからね」

と、教えて頂きました。そうか、山頂ではない、と思って、侮ってはいけませんね。

 

さて、帰路につくと、濃い霧が私たちを待ち構えていました。霧は所々で現れ、周囲が何も見えなくなりますが、それでなくても辺りは真っ暗なので、何が何やらよく分かりません。道路に書かれたセンターラインだけが頼りです。John A. Burns Wayとサドル・ロードのT字路に着きました。

「右(コナ方面)から車が来ないか見て!」

「何も見えない〜」

「ちゃんと見て!」

「だから真っ暗で何も見えないっ!」

久しぶりに、本当の『真っ暗』を体験しました。

サドル・ロードを下って、ヒロの街灯りが見えてきたときは、かなりほっとしたのでした。

 

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